日本の書店、出版業界を取り巻く経営環境は年を追うごとに厳しさを増しています。また、新型コロナウィルスの感染拡大は、我々の日常生活にまで大きな影響を与えるという予想をはるかに超える事態となりました。未だ収束の兆しは見えない中、時同じくして出版業界は、新たな方向性を見出す分岐点に晒されたように感じます。書店経営の悪化のみならず、国内出版流通の仕組みそのものが崩壊直前の事態を呈していると言っても過言ではありません。輸送問題で全国一律の発売日維持は崩壊し、今までの活字文化を支えてきた日本独特の出版業界のルールの在り方が問われています。 こうした状況において地方の書店経営がますます厳しいものとなっていることは言うまでもありません。インターネットの隆盛は当然のことながら、電子書籍市場の普及や読書離れは、出版業界のみならず地方書店の経営悪化にも大きく影響を及ぼしております。

　私たち大田丸は、全国の地域に深く根差した書店同士が、連携、協力することで、地方書店が「知の拠点」としてその地域での役割を果たし続けることを目的に設立されました。「書店」が人々の生活にとって身近で必要な存在として、人間の成長に寄り添っていける文化の拠点としてあり続けられるよう、書店同士が連携し、協力する場として大田丸は活動を続けて参ります。

　出版社様、全国の書店様とともに、「書店」の在り方を改めて見つめ直し、連携の輪を拡大することで、日本の出版文化を守る存在になりたいと考えております。